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家族で性格がちがうとき

親子、きょうだい、パートナーで性格がちがうとき、家の中でどう過ごすか。ルール、会話の量、気持ちの出し方、子どもの得意の見つけ方と、診断で家族を決めつけない注意をまとめました。

家族は、いちばん近くて、違いがよく見える

家族は、毎日同じ家で暮らすぶん、お互いの性格のちがいが遠慮なく出てしまう関係です。外では穏やかなのに、家ではつい強い言い方になる。外では元気なのに、家ではぐったりしている。そんな「家の顔」を、誰もが持っています。

親子、きょうだい、パートナー。同じ家の中に、休みたい人、話したい人、静かにしたい人、片づけたい人が同時に暮らしています。誰かが間違っているのではなく、4つのものさしの位置が違うだけ、ということが少なくありません。

家族には「分かってくれて当然」という期待も生まれやすいものです。その期待が外れたときのさびしさが、小さな衝突のもとになります。違いを知ることは、期待を少しゆるめて、言葉で伝える練習をすることでもあります。

家の中のルール|演奏スタイルのちがい

譜面派の人にとって、家のルールは安心の土台です。ごみの日、食事の時間、物の置き場所。決まっていることで頭の中が静かになり、ゆったり過ごせます。

アドリブ派の人にとっては、ルールが多すぎると息苦しく感じられます。今日はごはんを遅らせてもいい、片づけは気分が乗ったときにやりたい。決まりより、そのときの状況に合わせることが思いやりだと感じています。

譜面派とアドリブ派が一緒に暮らすコツは、「守ること」と「ゆるめていいこと」を分けて決めることです。たとえば、ごみ出しと晩ごはんの連絡は決まりにして、片づけの時間や休日の予定は各自の自由にする。「晩ごはんがいるかどうかだけは、夕方5時までに連絡してね」「それなら守れる」。ルールを少なく、でもはっきりさせると、お互いの息がしやすくなります。

会話の量|ステージ派とスタジオ派

家に帰ってすぐ今日の出来事を話したいステージ派と、帰ったらまず静かに過ごしたいスタジオ派。親子でもパートナーでも、この組み合わせはよく見られます。

スタジオ派の子どもが部屋にこもっていると、ステージ派の親は「何かあったのかな」と心配になって、いろいろ聞きたくなります。けれど、本人は充電しているだけかもしれません。逆に、スタジオ派の親が静かにしていると、ステージ派の子どもは「怒っているのかな」と不安になります。

家族の中で試してほしいのは、「話してもいい時間」を決めておくことです。たとえば、夕食のときは話す時間、食後の1時間は各自の時間。帰宅直後に「あとで話すね」と言える合図があるだけで、静かにしたい側も話したい側も、気持ちが楽になります。

気持ちの出し方|フォルテとピアノ

フォルテの家族は、喜びも怒りも家の中に響きます。にぎやかで、家が明るくなる一方、ピアノの家族にとっては、声の大きさや感情の波が、こたえるときもあります。

ピアノの家族は、家の中でも感情を抑えめにしています。「大丈夫」と言いながら、実は我慢していることがあります。フォルテの家族からは「何を考えているか分からない」と見えて、つい問い詰めてしまいがちです。

工夫としては、フォルテの人は、怒っている時でも「怒っているけど、あなたが嫌いなわけじゃない」と一言添えること。ピアノの人は、「今日は疲れているから、静かにしたい」と、気持ちの状態だけでも伝えること。内容を細かく話さなくても、状態が分かるだけで、家族は安心できます。

パートナーと決めごと|エモとロジック

家事の分担、お金の使い方、子どもの進路。夫婦やパートナーの間で話し合うことは、毎日のようにあります。ここでも、エモとロジックのちがいが出ます。

エモの人は、「みんなが気持ちよく過ごせるか」「子どもがどう感じるか」を軸に考えます。ロジックの人は、「費用はどのくらいか」「いちばん効率のよい方法は何か」を軸にします。どちらの軸も、家族には必要なものです。

話し合いのコツは、結論を出す前に、お互いの「軸」を一度ずつ言葉にすることです。「私は、子どもが楽しく通えるかを一番に考えたい」「僕は、続けられる金額かどうかを先に見たい」。軸を並べると、意見の対立が、対立ではなく「両方を満たす方法探し」に変わります。

きょうだいと親子|同じ家で育っても、同じ人にはならない

同じ家で育ったきょうだいでも、性格はまったく違うことがあります。上の子は人と遊ぶのが好きで、下の子はひとりで絵を描いていたい。親から見ると、同じように接しているつもりなのに、反応が違うので戸惑います。

親と子が似た者同士で、弱点も同じ場所にあるために、ぶつかることもあります。逆に、違いが大きいと、「どうして分からないの」と、お互いを理解できずにいら立つこともあります。

きょうだいの間では、「お兄ちゃんなんだから」「妹はマイペースだから」のように、役割や性格をラベルで固定しないことが大切です。ラベルがつくと、本人がその枠から出られなくなります。ふだんから「今日はどうしたい?」と一人ずつに聞くほうが、それぞれの良さが伸びていきます。

子どもの性格の見方|得意な伸ばし方を探す

子どもの性格を見るときに大切なのは、「直すべきところ」を探すより、「その子が力を出しやすい形」を探すことです。人見知りに見えても、スタジオ派で、少人数や1対1のほうが力を出せるのかもしれません。

たとえば、準備に時間がかかる子は、譜面派で、見通しがあると安心するタイプかもしれません。その場合は、「明日はこんな流れだよ」と前日に伝えるだけで、朝のぐずりが減ることがあります。ノリで動く子は、アドリブ派で、考えるより先に体験したい。まず触らせてみると、やる気が出ることがあります。

気持ちを大きく出す子も、静かにため込む子も、それぞれ表現の仕方が違うだけです。大きく出す子には、気持ちを受け止めたうえで、落ち着く方法を一緒に探す。静かな子には、答えを急がず、「話したくなったら聞くよ」と待つ。どちらも、受け止められていると感じることで、自分の性格を好きになれます。

ぶつかったときに、家族でやってみたい小さな工夫

家族の衝突は、大きな問題よりも、毎日の小さなことから始まります。食器の洗い方、帰りの遅さ、テレビの音。小さいぶん、「そんなことで怒らなくても」と言われやすく、お互いの不満が積もっていきます。

おすすめなのは、月に一度でいいので、家族で「最近、家で助かったこと」と「ちょっと困っていること」をひとつずつ出し合う時間を作ることです。まず助かったことから始めると、困りごとが責める言葉になりにくくなります。「先週、洗濯物をたたんでくれて助かったよ」「帰りが遅い日は、先に連絡があると安心する」。

ピアノの家族やスタジオ派の家族は、その場で話すのが苦手なことがあります。紙に書いて渡す、メモを冷蔵庫に貼る、といった方法も試してみてください。話す形は人それぞれでかまいません。大切なのは、家族の誰もが「言っていい」と感じられることです。

診断で、家族を決めつけない

診断の結果は、家族を理解する手がかりにはなりますが、家族を分類するラベルではありません。「あなたはピアノだから我慢強い」「うちの子はスタジオ派だから、友だちが少なくてもいい」。そうした決めつけは、本人の可能性を狭めてしまいます。

とくに子どもは、成長の途中にいて、環境や年齢で大きく変わります。今日のタイプが、来年のタイプとは限りません。子どもの性格を診断で決めたり、本人に「あなたはこういう子」と告げたりするのは避けてください。子どもについて読むときは、あくまで親が「見方を増やす」ためのヒントとして使うものです。

家族みんなで診断して結果を見せ合うのは、楽しい使い方です。ただ、結果が合わなかったり、家族の間で食い違ったりしても、診断の正しさを競わないでください。「そう思っていたんだ」と、お互いの意外な一面を知るきっかけになれば十分です。最後に決めるのは診断ではなく、家族がお互いをどう見ていきたいか、です。

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